三澤たかのりさんの評判と詐欺の可能性を検証してみました

2023年4月21日

1年で300万円を8000万円にしたという個人投資家の方です。
youtube 三澤たかのり先生の「なるほど株大学!」では、登録者数48,500人。
株式会社Jinrikishaの代表取締役を務めています。
有料のSwing Trade Master Club(スイングトレードマスタークラブ)という投資スクールの運営を行っています。

今回は三澤先生の評判・口コミ・実績をリサーチして私なりに分析してみました。

著書の評判

レビューを見てみると、
星5つ 25%
星4つ 23%
星3つ 21%
星2つ 9%
星1つ 22%

70件のレビューがあり、平均は3.2でした。並の評価のようです。
youtubeの方が良いという意見もありました。

Swing Trade Master Club(スイングトレードマスタークラブ)

SMCという株スクールを運営されているということでしたので、いろいろと登録して調べてみました。
その中で以下のような実績が紹介されていました。

2016年2月25日~2017年2月24日の年間取引実績

決済損益合計は、+78,906,064円となっています。

300万円を使って、1年でこれだけの利益が上げられたら、良いですよね。
どのようなトレードだったのか、詳しく見てみましょう。

2017年1月26日~2017年2月28日の取引実績

証券コード4755の楽天を取引していたようです。
1回の取引で372万円の利益はすごいですよね。

でも・・・。

オレンジ色の区間が取引をしている期間です。
取引の内容を見てみると、
2/14 1,107.8円で買建
2/21 1,032円で決済売
1株あたり-75.8円
50,000株の取引をしているので、-3,790,000円の損失

しかしながら、取引実績を見ると、+3,727,200円の利益となっています。(手数料を加味後)

取引期間中は一方通行で下落していますので、
買いで利益を出すことは不可能です。

四本値はこちら

念のため、数値に誤りが無いかチェックしました。

取引実績を偽っている可能性が高い

①取引損益が反対

この明細の通り、買建していたら、損失のはずだが、利益になっている。

②諸経費計がおかしい

458+360+360+56=1,234円)。(緑色の四角
 実際には22,800円!?
 
 諸経費計は費用の合計のため、通常一致する。
 上の取引では、136円+360円+360円+56円=912円。(青い四角

③買建となっているにも関わらず、貸株料が発生している

SBI証券より

2017年2月14日の取引は買建となっているため、通常は金利(貸方金利)が発生する
しかしながら、貸株料が発生しているため、実際には売建の取引をしていたと考えられる。

④貸株料が安すぎる(仮に売建だとしても)

上の取引では、 
・2,000株の取引で、2日間で136円。(1日63円)建単価1085.5円=年1.059%

下の取引では、 
・50,000株の取引で、7日間で458円。(1日65.4円)建単価1107.8円=年0.043%

すなわち、実際には、25分の1の量の取引であると考えられる。(=2,000株)

そもそも買建で貸株料は発生しないのですが・・・。

実際の明細はこう

貸株料が発生しているため、実際には、売建だったと考えられます。

取引量は上記で説明したとおり、2,000株。
建単価1107.8円×2,000株=2,215,600円(建代金)
金利は年1.10%なので、年24,371.6円。1日当たり66.77円。7日で467円。
多少の誤差がありますが、おおよそ合っているでしょう。取引手数料などもありますので。

もともとの明細はあり得ないことがわかります。
したがって、取引実績は偽物ということです。

偽った点は以下の通り。
・売建を買建に変更
・諸経費を1,234円から22,800円に変更
・数量を2,000株から50,000株に変更
・信返買から信返売に変更
・利益を+150,336円から+3,727,200円に変更

逆に偽っていない点は、
・建単価、決済単価
・取引日
・各種手数料

これから株取引をする人は、十分に騙せると思います。(明細の見方はわかりませんので)
株スクール事業としてはこれで十分なのでしょう。

2,000株の取引をしていた人が、いきなり50,000株で取引するのは不自然ですよね。

他に違和感を感じた点

年間の取引実績を再度確認してみましょう。
78,906,064円の利益を上げるために、124件の明細数しかないことがわかります。



実際に株の取引しているとわかりますが、1回の注文の株数が増えれば増えるほど、明細の数が増えます。
以下は私の取引明細です。

1回で800株の取引きを行ったにも関わらず、明細は6件となっています。
これは取引する相手方にもよって変わります。
取引した相手が、800株の売り注文でこちらが800株の買い注文であれば、明細は1つになります。
124件の明細ということは、最後の方は数千万位単位の取引であるにも関わらず、たった1人の相手と取引が成立していったことになります。

124件の取引で300万円から78,906,064円にするには

300万円にフルレバレッジをかけて900万円で運用するとします。
それを1取引あたり1.75%の利益で1回も負けることなく、複利で124回繰り返します
そうすると以下の通りです。
1回目の取引で157,500円の利益が出たということです。
その後も、複利運用のため、1回の利益は大きくなっていきます。

いかがでしょうか。
フルレバレッジをかけた上で、さらに負けなしでようやく約7700万円となります。

2017年2月は約15万円の利益

複利運用をしていた場合、最後の最後が一番利益が大きいはずです。
しかしながら、私が計算したところ、最後の2月は約15万円の利益でした。
ということは、前月までの間に7800万円以上利益が出ていたことになります。

2018年6月の明細

全体的に負けは少なく勝率が高いことは良いことです。
しかしながら、明細数はかなり多いことがわかると思います。
2018年6月だけで明細数は33明細もあります。利益は約156万円でした。
1明細あたりの利益は5万円にも足りません。
(※普通はこんな計算しませんが、明らかに明細数が少ないため参考まで)

仮に5万円として124件あると、620万円となります。

年間実績で示されている成績を残すことは不可能と言わざるを得ません。

株式市場の営業日は約200日

124件の取引をするということは、200日のうち、半分以上の日で売買しなければならないことになります。
複利で行うということは、1件の取引を約1.6日で売買を完結しなければなりません
三澤さんのトレードはスイングトレードですので、1日~1か月とおっしゃっています。

月間の取引実績が偽物ということは、年間取引実績も偽物な可能性が高い

年間実績には、2月21日の取引も含まれています。
したがって、年間取引実績にも何らかの加工が加えられているとみて間違いないでしょう。

株式投資を教える塾などはたくさんありますが、教える側が取引をしていなかったり取引していても、利益が出ていないケースなどもあります。

売買のデータはフォトショップなどで加工したりして信用できないことも多いです。

先生選びにはくれぐれも注意しましょう。